AIでできることを具体例を元に分かりやすく解説 | AI・機械学習 | DataVehicle

コラム

AIでできることを具体例を元に分かりやすく解説

「AI」という言葉を聞かない日はないくらい、AIは身近な技術になりました。しかし、AIが一体何なのかよくわからないという人は多いのではないでしょうか。「AIに仕事を奪われる」「AIが人間を支配する」といった話を耳にして、AIに対して漠然とした不安感をもっている人もいるかもしれません。そうした不安は、「AIとは何者なのか」「何が苦手で、何ができるのか」を知ることで払拭できるでしょう。

この記事ではAIが得意なこと・苦手なこと、また、現在行われているAI研究について解説していきます。

AIとは

AI(Artificial Intelligence・人工知能)とは、人間の知能で行っていることをコンピューターに行わせようとする科学・技術のことです。

AIの歴史

1956年に国際学会で登場して以来、AI研究は以下のようにブームと冬の時代を繰り返してきました。

  • 1950年代後半~1960年代:第一次AIブーム

コンピューターが「推論」や「探索」をすることで単純なパズルやゲームを解けることがわかり、一躍ブームになりました。しかし、複数の要因が絡まり合った複雑な問題は解決できず、ブームは下火になりました。

  • 1980年代:第二次AIブーム

コンピューターに知識をインプットすることで実用化を目指すものの、膨大な知識をインプットすることは難しいことがわかり、この方向性も断念することになりました。

  • 2000年代~現在:第三次AIブーム

過去2回のブームでAIの苦手なことがわかったため、データ重視の技術向上へと方向転換を図り現在に至っています。

現在のAI研究の主流「機械学習」とは

第三次AIブームの現在、注目を集めているのが機械学習です。混同されがちですが、機械学習はAIとイコールではなく、AIを実現させるための技術のひとつです。

機械学習とはコンピューターがデータに触れることで自動的に学習し、データのもつルールやパターンを見つけ出す手法をいいます。

機械学習技術の向上が進んだことによってAIは大きな進化を遂げ、現在ではさまざまな商品やサービスで実用化されています。

機械学習の仕組み

機械学習では、与えられたデータからコンピューター自らがパターンやルールを見つけ出して数理モデルを構築します。

数理モデルとはある現象を数式で表現したもので、変数に数値を入力したり数値を変更したりすることで、さまざまなシミュレーションを行えるようになります。

数理モデルについて、簡単な例を用いて考えてみましょう。

動物園で人気の動物を見るために行列に並び、自分の順番がくるまでの待ち時間を予測したいとします。

そこで「自分の前に50人並んでいる」「1人の見物時間は30秒程度」と仮定して、「待ち時間=50人×30秒」という数式を立て、待ち時間は25分と予測しました。これはひとつの数理モデルを構築したことになります。

しかし、考えられる数理モデルはひとつではありません。

人数ではなく距離に着目し「行列は30メートル程度」、「10メートル進むのに5分程度かかる(つまり30秒で1メートル進む)」と目算をつければ、「待ち時間=30メートル÷30秒」となり待ち時間は15分という数理モデルを立てることができます。

この2つ以外にも、さまざまな観点を加えた数理モデルが考えられます。

上記2つの数理モデルを比較すると、待ち時間には10分もの差があります。なぜこのような差が現れるのか、要因を明らかにしてモデルに修正を加えていくことで、より精度の高い数理モデルを構築することにつながります。

このように、機械学習ではコンピューターが大量のデータに接してさまざまな数理モデルを構築・実証し、どのモデルが精度の高い予測を行えるのか探っていきます。

そして最適解の数理モデルが構築できれば、そのモデルにデータを当てはめることで精度の高い予測が行えるようになります。

AIが苦手なこと

続いて、AI研究の歴史から明らかになったAIの苦手分野について詳しく解説していきます。

過去2度のAIブームから、AIはロジカルシンキング(論理的思考)が苦手だということがわかりました。その理由としては以下が挙げられます。

人間の常識をインプットしきれない

人間は生まれて成長する過程で自然に常識を身に付け、それに基づいた思考・行動をとります。

例えば、目の前に炎があれば避けて通ることは人間にとっては常識です。

しかし、コンピューターには常識が備わっていないため、コンピューターが火を避けて歩くためには「火は熱いので避けるべきもの」という知識を人間がインプットしなければなりません。

人間の常識は膨大にあり、すべての常識をコンピューターにインプットするのは非常に難しいのです。

例外処理が苦手

人間は常識に則って思考・行動しますが、そこに例外が発生することも多々あります。「炎は避けるのが常識だが、中に人がいたので飛び込んで助けた」は例外的な行動です。

コンピューターに「火は避けるべきもの」のみインプットすれば、その常識に則った行動はできても、「人が中にいるという例外」には対応できません。

そして例外のパターンも1つではありません。「人がいれば助ける」という例外を覚えさせたとしても、中にいるのが人ではなく動物の場合には対応できないのです。

考え得るすべての例外をコンピューターに覚えさせることは不可能といえるでしょう。

枠組みの定義が困難

人間は「考えるべき枠組み」の中で思考を巡らせています。

例えば、会社で営業戦略について議論するときは、顧客や売上、競合企業や市場環境といった仕事に関連する領域の中で考えを巡らせ、必要な情報を引き出します。営業戦略を考えるにあたっては「学生時代の思い出」「今日のランチ」といった情報は不要なため、無意識のうちにそれらの情報を議論の材料から排除します。

コンピューターにはこの「枠組みの定義」ができません。「この領域の話をするのに、この領域の話は必要/不要だ」ということが判断できないのです。

AIにできること

現在AIが得意とすることは「人間が行う定型的な処理」や「人間が直感的に行える処理」です。機械学習の進歩により、こうしたデータに基づいた処理を精度高く行えるようになりました。

また自然言語処理能力や画像診断能力が向上し、身の回りでもAIを利用した商品やサービスを目にすることが増えています。

将棋・囲碁

AIの将棋界への挑戦は大きな注目を集めました。

将棋や囲碁は盤上という限られたスペースのみで行われ例外処理も少ないことから精度の高い予測が可能で、トップ棋士にも引けをとらないパフォーマンスを見せています。

将棋ソフトを使って鍛錬を積む棋士も多く、AIは将棋や囲碁の世界に大きな影響を与えています。

翻訳・要約

自然言語処理技術の向上により、AIによる翻訳や通訳を高い精度で行えるようになっています。インターネットで英語の文献を日本語訳する際に翻訳ツールを活用する人も多いでしょう。

画像診断による異常検知

画像処理能力の向上により、人間が見て判断できるものをAIにも判断できるようになっています。

製造業の工場では、不良品の画像データを大量に覚えさせることでAIによる不良品検知が行えるようになり、人間の労働削減に寄与しています。

また、精度に課題はあるものの医療現場での活用も期待されます。

chatbot

chatbot(チャットボット)とは「チャット」と「ボット(=ロボット)」を組み合わせた造語です。

AIを活用した自動会話プログラムのことで、ビジネスシーンでも活用が進んでいます。

コールセンターで人間が行っていた電話による問い合わせ対応をchatbotに行わせることで、お客にとっては待ち時間の削減、企業にとってはコスト削減といったメリットが得られます。

AIにできることを理解して共存できる社会に

第三次AIブームを迎え、身の回りにはAIを活用した商品やサービスが格段に増えました。AIにできることはAIに担ってもらうことで、人間は人間にしかできない業務や楽しみに打ち込むことができます。さらに研究が進んでAIにできることが増えれば、人間の暮らしはより便利で豊かなものになるでしょう。

AIに多くを求めすぎたり頑なに拒んだりせず、お互いの領域を理解することで、人間とAIが快適に共存できる社会になるでしょう。

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