DX投資促進税制の概要を分かりやすく解説 | DX | DataVehicle

コラム

DX投資促進税制の概要を分かりやすく解説

人口が減少し、高齢化が進む日本企業においては、競争力を維持・向上させるために、デジタル化を進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要不可欠です。

日本の競争力向上のため、経済産業省は「DX投資促進税制」を創設しました。

この記事では、日本企業がDX化を進める鍵となるDX投資促進税制についてわかりやすく解説します。

DX投資促進税制とは?

2021年3月26日、2021年度の税制改正法案が可決されました。その中で注目されたのが、DX投資促進税制です。

その名の通り、DXの投資を促進させるための制度であり、DXを推進することで企業改革に取り組む企業への税務面での優遇措置といえます。

DX投資促進税制の概要

DX投資促進税制は、デジタル技術やクラウド技術の活用、レガシーシステムからの脱却など、企業のDX促進を目的とした税制です。適用期限は2023年3月末(令和4年度末)とされています。

対象となるのは、部門や拠点ごとではない全社レベルのDXです。DXに向けた計画を主務大臣が認定したものに限り、デジタル関連投資の税額控除や特別償却といった優遇を受けることが可能となります。

創設の背景

DX投資促進税制の創設の背景には、下記などが挙げられます。

ウィズ・ポストコロナ時代を見据えた企業のDX化を促すため
グローバルでのデジタル競争力を高めるため

2020年初頭から新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、企業活動は激変しました。対面での商談は減り、リモートワークやWeb会議が当たり前になったことで、企業のDXに対する意識は飛躍的に向上しています。

DXに投資できるだけの資金力がある企業は問題ありませんが、思うようにDXに費用を掛けることができない企業では、DXが進まないこともあるでしょう。DX投資促進税制は、このような企業のDXを推し進める狙いがあります。

企業のDX推進は、グローバルでのデジタル競争力を高めることにもつながります。

DX投資促進税制の認定要件

DX投資促進税制の適用を受けるためには、クリアすべき要件が2つあります。デジタル要件=D要件と、企業変革要件=X要件です。

D要件

D要件は、下記の3つを満たす必要があります。

データ連携
クラウド技術の活用
情報処理推進機構(IPA)が審査する「DX認定」の取得

この中で一番重要なのが、情報処理推進機構(IPA)から「DX認定」を受ける必要があるということです。

DX認定制度は、2020年5月15日に施行された改正情報処理促進法に基づく認定制度であり、IPAが「DXに関して優良な取り組みを行なっていると認めた企業」に対してDX認定を与える制度です。

DX認定を受けた上で、データ連携とクラウド技術の活用を踏まえた事業適応計画かどうかが、D要件としてチェックされます。

データ連携は「他の法人等が有するデータ又は事業者がセンサー等を利用して新たに取得するデータと内部データを合わせて連携すること」と定義されています。

他社が持っているデータを自社データと連携させることがポイントとなりそうです。多種多様なデータを集約、活用することで、企業同士の相乗効果を狙っているといえるでしょう。

X要件

X要件は以下の2つを満たすことが必要です。

全社の意思決定に基づくものであること
一定以上の生産性向上などが見込まれること等

重要なポイントは、部門や拠点などの一部ではなく、会社全体でDXに取り組む意志があるかどうかという点でしょう。

企業の中にはIT部門と現場が連動できておらず、デジタル技術が共有できていないケースが多くありました。X要件では、そのようなことを起こりにくくするために、全社でDXに対して同じ方向を向くことが求められています。全社の意思決定にもとづくもののエビデンスとして、取締役会等の決議文書の添付が必要です。

当然ながら、生産性向上が見込まれる事業適応計画かどうかも、X要件としてチェックされます。

DX投資促進税制措置の内容

DX投資促進税制の適用を受けることで、企業にとってどれだけの優遇があるのでしょうか?

対象となる資産

DX投資促進税制の対象となるのは、ソフトウェア、器具備品、機械装置、繰越資産に分類されるものです。税法上、それ以外の分類に含まれるものは対象となりませんので、注意しましょう。

一般的に想像しやすいのは、販売管理システムなどのソフトウェアですが、製造現場などで使うロボットやIoTシステムなども対象に含まれます。

適用期限は2023年3月31日ですので、これ以降に取得した設備等は、DX投資促進税制の対象外となるので、注意が必要です。

投資金額の基準

対象となる投資の下限金額は売上高比0.1%以上であり、上限金額は300億円までとなります。仮に売上高が10億円の企業であれば、投資の下限額は1,000万円です。

従業員数や資本金などの企業規模に関する制約はなく、IPAからDX認定を取得している企業であれば、DX投資促進税制の適用を受けられる可能性があります。

控除される金額

DX投資促進税制で、実際に優遇される金額は以下の通りです。

税額控除:投資額の3%、5%
特別償却:投資額の30%

D要件、X要件を満たした事業適応計画を提出して認定を受けた企業は投資額の3%の税額控除または投資額の30%の特別償却を受けることができます。

グループ外の他社ともデータ連携や共有をした場合、投資額の5%にあたある税額控除を受けることができるのも特徴です。

まとめ|DX投資促進税制の利用を検討しよう

企業のDXを推進するために創設されたDX投資促進税制。適用を受けるためには、IPAによるDX認定を受けた上で、D要件とX要件を満たした事業適応計画を提出し、認定を受けなければなりません。

優遇を受けるためには、超えるハードルがいくつかあるので、難易度が高いと思う人も多いかもしれません。しかし、今後グローバル競争で勝ち抜いていくためには、DXは避けては通れない道といえます。DX投資促進税制を利用して、社内にDXの風を吹き込みましょう。

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