事業部門でDX人材を育成し、データドリブン経営の土台を作る | DataVehicle

事例紹介

事業部門でDX人材を育成し、データドリブン経営の土台を作る

西日本鉄道株式会社

DX・ICT推進部DX推進担当 係長 遠井夢希さん
都市開発事業本部営業部ソラリアプラザ 副館長 北野誠一さん
鉄道事業本部施設部線路課線路担当 係長 小栁賢史さん

福岡県を基盤に鉄道、路線バスなどの運営を行う「西日本鉄道株式会社」。公共交通機関の経営以外にも、ICカード事業や不動産事業、レジャー・サービス業など、幅広い事業を展開する。近年、データドリブン経営の推進に取り組む同社では、事業部門にDX人材を育成するためにデータビークルの「DX人材育成研修」を採用。導入に携わったDX・ICT推進部の遠井夢希さんと、研修を受講した北野誠一さん、小栁賢史さんにお話を伺った。

データドリブン経営浸透のためDX人材を育てたかった

̶データビークルの研修を導入された経緯を教えてください。

遠井:弊社では、私が所属するDX・ICT推進部が中心となってデータドリブンな経営を推進する取り組みをしているのですが、データに基づいて意思決定ができる人材が限られていることが課題でした。事業部門にもデータに基づいた意思決定ができる人材が必要ではないかという考えの下、DX 人材の育成研修を導入しようと検討を始めました。

条件として、プログラミング中心ではなく、データの使い方を実践的に学べる内容であることと、短期間集中で間延びせず学習できることを重視していました。そこで何社かの研修を比較したのですが、これらの条件を満たしていたのがデータビークルのDX人材育成研修でした。

―どんな方が参加されたのですか?

遠井:年齢は25~40 歳くらいで、役職は係長級までの社員がほとんど。ICカード子会社やバス事業、住宅事業、物流事業、ホテル事業などから、計20 名が参加しました。事業部門ごとに参加人数を割り当てて、推薦もしくは公募で参加者を募りました。

今回の研修では、データに親しんでもらうことや、データに基づく意思決定ができるようになることを期待していました。参加者のデータ分析に対する知見のレベルはさまざまで、ふだんからデータに触れている方もいれば、データ活用をしたことがない方もいました。

北野:私は福岡市の天神にあるソラリアプラザという商業施設で、副館長としてテナント契約や運営支援、営業などのセクションを担当しています。ふだん業務でデータを活用することはあまりないのですが、大学院時代にデータ分析を学んだことがありました。
今回の研修は、事業部門で推薦されて受講することになりましたが、もともとデータ活用や分析に興味があったので、ありがたい話だと思い受講を決めました。

小栁:私は鉄道施設の維持管理や改良について方針を示す立場にあります。例えば鉄道施設の点検方法など、今後の鉄道の維持管理のあり方について検討を行っています。
私たちの部門では、さまざまなデータを持ってはいるものの、それをうまく活用できていませんでした。研修はぜひ参加したいと思う一方で、不安もありましたね。事前に共有された内容にある「データの正規化」といった言葉を見て、難しそうだと感じていたのです。

講師のフィードバックから得た自分の視点にない気づき

―受講されての感想はいかがですか?

北野:1 週間に一度の短期集中型スケジュールの中で課題にも取り組まなければいけなかったので、業務と研修との時間配分は大変でした。

その分、得たものは大きかったですね。データ分析の経験があるといっても、15年前にSQLを使ってデータ分析をしたことがあるレベルだったので、それが今ではツールを使うことで、直感的にデータ分析ができるようになったんだと知ることができたのが大きな収穫でした。

小栁:当初は難しそうなイメージを抱いていましたが、研修を受けてみて「これならできそうだ」と感じました。難しい専門用語はあまり使わず説明いただいたので、理解がしやすかったです。1 つひとつ、納得しながら進めることができました。

―講義の中で一番印象的だったのはどういった点でしたか?

小栁:講義の担当者からのフィードバックが楽しみでした。毎回、「そう考えたらよかったんだ」と新たな気づきが得られました。各グループで出し合った意見についてもそれぞれフィードバックしてもらえるので、自分とは違う視点での気づきがありました。もっとフィードバックに時間を割いてくれないかと思うほど理解が深まりました。
北野:講義では5つのグループにわかれて課題の発表をしたのですが、みんなで意見を出し合うプロセスが楽しかったですし、学びになりました。自分の課題だけでなく、他のメンバーが出した意見に対するフィードバックをいただけたのがありがたかったですね。そういう意味では、答えが1つではない課題に取り組むことが出来てよかったと感じました。

―難しく感じられた部分への講師からのフォローはいかがでしたか?

北野:とても充実していました。集合研修をする前に個人で課題に取り組むのですが、ダウンロードした資料に沿ってやればできるようになっていますし、フォローの動画も豊富にあります。実際の集合研修でフィードバックしていただいて、「こういうことか」と腹落ちしました。ツールも慣れてくると使いやすくて、「今度はこうしてみよう」という意欲が湧いてきました。

小栁:研修中、わからない部分はあとから質問をすることもできました。その際、追加資料をいただくなど、不明点がクリアになるフォロー体制も助かりました。

―研修の中で、実務で役立ちそうなポイントはありましたか?

北野:何よりも、ツールが直感的に使える点ですね。社内の鉄道部門やバス部門にあるデータを放り込むだけで、あとは勝手に分析してくれます。ひと昔前に比べてデータ分析のハードルが下がったことを実感して、アイデアの幅が広がりましたね。

自社のデータだけでなくオープンデータを活用するという話も非常に参考になりました。データの範囲を広げてみようとか、自社データとオープンデータと組み合わせて分析をすることで、事業に役立つことができるのではないかという気づきが得られたのは大きいと感じています。

小栁:今後、今あるデータをどう活用していくか考えていく中で、例えばデータの正規化をする際にどういうデータセットにすればよいか、説明変数は何が適しているかと思考する感覚を身につけることができました。

シチズンデータサイエンティスト育成でデータによる意思決定を

―研修後、身につけた知識を生かして業務に活用されていることはありますか?

北野:現時点でじかに業務に活かせているわけではありませんが、DX・ICT 推進部の方にフォローしていただいてデータ分析をしていけば、データ活用が形になりそうな感触を得ています。
小栁:線路課では、一定基準を超えたら線路点検をする値を定めているのですが、近年の気候変動に合わせて基準値を見直していくべきと考えていました。研修後、データを活用してその基準が妥当なのか確かめたり、どのタイミングで基準値を超えるかの予測をしたりできないか、提案したりもしています。研修をきっかけに部門内の課題を解決できればと思っています。

遠井:研修の最終回で、参加者にはそれぞれ今後取り組んでいきたいテーマを発表してもらいました。DX・ICT推進部としてフォローしながら、今後どれぐらいデータ活用が進んでいくか定期的にウォッチしていきたいですね。勘や経験も大切な要素ですが、それに加えてデータ活用の意識を醸成していけたらと考えています。

各事業部門にシチズンデータサイエンティストを育てて、データドリブンな意思決定をするためのサポートができる体制を構築していきたいと思います。

―ありがとうございました。
※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

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