わかりやすい言葉で個々のリテラシーに合わせたフォロー 。「何のためにデータ分析をするのか」目的意識を持つようになった
日本ピラー工業株式会社
情報システム部部長 高土俊輔さん(左)
品質保証部 坂口一灯さん(右)
さまざまな産業機械の漏れを止める流体制御関連の総合シールメーカーとして市場を拡大してきた「日本ピラー工業」。「競争力を高めるために、今後社内でDX人材を育成することは不可欠」。そう考える同社では、データを価値ある資産と位置づけ、データ活用できる人材を育成する方針だ。そんな中、データビークルの「DX人材育成研修」を受講した同社情報システム部部長の高土俊輔さん(写真左)と、品質保証部の坂口一灯さん(写真右)にお話を伺った。
「データは価値ある資産」人材育成でデータ活用を推進
——今回、データビークルのDX人材育成研修を導入された背景には、どのようなお考えがあったのでしょうか。
高土 昨今、しきりにDX推進と言われるようになりましたが、弊社内でもITの活用やDXを推進して生産性を上げていこうという動きがあります。その中でもデータサイエンスは、今後会社の競争力を高めていくうえで重要な要素となるだろうと考えています。
社内には販売実績や実験データ、検査データなど、「価値ある資産」としてのデータが多数蓄積されています。これらをビジネスにつなげる形でアウトプットするには、データの利活用ができる人材がいなければなりません。しかし、現実的にはこうした人材は不足しており、採用が難しい状況にあります。であれば、社内でDX人材を育てていく必要があります。会社としてこうした方向性を示す中で、ご縁あってデータビークルさまに、今回の研修を依頼することとなりました。
社内のIT研修としては、新入社員向けや階層別のセキュリティ研修、公募型のOfficeソフト活用研修などさまざま行ってきましたが、 DXという観点での研修は今回が初めてでしたね。
——どのような方が研修を受講されたのでしょうか。
高土 ITやDX推進に関係するであろう部署から主要なメンバー11名が選抜されました。技術部門、情報システム部門、品質保証部門などですね。販売実績データを扱う営業部門からも、何名か選抜されました。
年齢層も幅広く、部長などのマネジメントレベルから、坂口のような比較的若手で実務を行っているメンバーまで、さまざまでした。
わかりやすい言葉でデータ分析の本質を解説
——今回の研修にはどのような期待を持って臨まれましたか?
坂口 今回受講メンバーとしてお声がけをいただいて、研修の内容を事前に調べたところ、データ分析を軸にしてストーリーで学べるとありました。書籍などにもこうしたスタイルはありますが、実際にデータ分析の場面で手を動かしながら学べるという点で、分析手法をしっかり身につけられそうだと期待が高まりましたね。
高土 私はこれまでDX関連の研修を受講したり、データ分析をしたりといった経験がなかったので、どんな研修なのか想像もつきませんでした。講義についていくのは大変なのではないかと思っていましたが、いざ始まってみると、とてもおもしろい講義や課題で、実務でデータ分析を実践する前の土台として楽しく学ぶことができましたね。
——実際に受講されてみて、どのような感想をお持ちでしょうか。
坂口 講義の前半では、データ分析全般の考え方や流れについてあらためて学ぶことができました。これまでも業務の中でデータ分析に携わってきたことから、業務に落とし込んでイメージできましたね。
また、データを加工したり、データビークルのデータ分析ツールdataDiverを使って実際にデータ分析をしたりする講義もありました。Excelやほかの統計用ツールを使ったデータ分析では、「解析結果が専門用語ばかりで難解である」「本当に得たい解析結果が出てこない」といった課題が散見されますが、dataDiverにはそうした複雑さがありませんでした。「どの項目が、どれだけ変化したら、結果がこうなる」といった、中高生でも理解できるようなわかりやすい言葉で分析結果が表示されるのが印象的でした。
高土 私が今回の講義で特に印象に残ったのは、データ分析の考え方ですね。「何が、どうなれば嬉しいのか」「そこに影響を与えるのは何なのか」。子どもにもわかりそうな平易な言葉で、データ分析の本質を示してもらえたのがよかったですね。
——講義中にわかりにくい点があった場合のフォローはいかがでしたか。
坂口 講義内での質疑応答は、時間を割いてお答えいただきました。その中でもわかりにくい点であったり、専門的すぎて理解ができなかったりした点は、個別にメールで確認をさせていただきました。当日中にレスポンスをいただけて、質問内容にも丁寧に回答いただけたのでよかったですね。
高土 今回は受講生の年齢層も、担当している業務にもずいぶんばらつきがあったようにおもいますが、個々のレベルやリテラシーに応じて、もれなくきめ細やかにフォローしていただけたと感じています。
「何のためにデータ分析をするのか」目的意識を持てるようになったことが収穫
——研修を受講してよかったと思われた点をお聞かせください。
坂口 今回の研修でリサーチデザインの考え方を知る前は、データ分析は我流で行っていました。
今回あらためてリサーチデザインの考え方を学んだことで、自分の中で自明の答えだと考えていたものが、本当にその解を導くやり方で合っているのか、もう一度前提に立ち返って考え直すようになりましたね。研修を受けて、そうした変化がありました。
——研修で身につけられた知識を、どのように業務に生かしていますか?
坂口 「いま、何のためのデータを分析したいのか」という目的設定を意識するようになりました。ほかの人に説明することを前提に、データ分析をする前に「データ分析からこんな結果を得たい」「そのためにこんな変数を置くことを考えている」といったことを明示するようになりました。
この点が、他者への説明をする際に生かせていると思います。
高土 坂口と同じく、何のためにデータ分析をするのか、目的設定をする考え方が身についたのはよかったと思っています。
今回受講をしたことで、メンバーたちにすぐ変化が訪れるかどうかは分かりません。
ですが、これから実業務の中でデータ分析をする際、今回学んだことは必ず生きてくるのではないかと思っています。会社としてこうした研修にチャレンジしたこと自体、意味があったといえるでしょう。
まだ具体的な計画に至ってはいませんが、今後はより多くの社員にこうした研修を受講してもらって、社内全体でレベルアップを図っていけたらと思います。たとえば、入社して2~3 年のこれから本格的に実務に携わっていく若手社員に、データ分析の考え方を学んでもらうのも1つの方法でしょう。
会社としては今後、デジタル技術やデータ分析を業務の中で生かしていく方向性でいます。そうした分野に対応できる人材を増やしていくことはもちろん、あらゆる業務の場面でこういった考え方やツールを活用していくことになりそうです。
——会社全体がレベルアップしていきそうですね。本日はありがとうございました。
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