「何のためにデータ分析をするのか」データ活用でリーダーシップを発揮できるDX人材育成を目指して | DataVehicle

事例紹介

「何のためにデータ分析をするのか」データ活用でリーダーシップを発揮できるDX人材育成を目指して

ホシザキ株式会社

経営企画部 山中啓介さん
設計推進部原価企画課課長 鈴木英二さん
開発部第一開発課係長 榊原英記さん
経営企画部 長谷川颯大さん

製氷機や冷蔵庫をはじめとする各種フードサービス機器の研究開発および製造販売を手がける「ホシザキ株式会社」。同社では、DXに対する取り組みの第一歩として、データビークルの「DX 人材育成研修」を導入した。研修を受講したことで、データに対する意識がどう変化したか。研修の導入を主導した経営企画部の山中啓介さん、実際に研修を受講した設計推進部原価企画課課長 鈴木英二さん、開発部第一開発課係長 榊原英記さん、経営企画部長谷川颯大さんにお話を伺う。

社内のDX化を推進したい。第一歩とするために研修を導入

——データビークルの研修を導入された経緯を教えてください

山中 弊社では、データ活用をはじめとするデジタル領域での取り組みが遅れているという認識がありました。そこに向き合わなければならないものの、どう取り組めばよいかわからない。そもそもデータを活用したビジネスのイメージがわかないといった課題感がありました。

データやAI を活用したビジネスモデルを提案してくれるスタートアップやベンチャー企業はいろいろあります。その中でデータビークルさんのDX人材育成研修を選んだのは、「データは活用の仕方が肝である」という考え方に興味を持ったためです。何の目的でデータ活用をするか考えられる人材を育てなければ、データサイエンティストがいてもデータを有効活用できない。そんな切り口におもしろさを感じて、導入に至りました。

データビークルさんからはいくつか研修プランをご提案いただきましたが、今回は研修期間が2 日間の短期間コースを選びました。まずは小さく試してみて、有効だと判断したら大きく広げていきたいという考えがあったためです。

このように導入を決めてデータビークルさんと打ち合わせを1ヶ月後には研修を開催することができました。

——研修はどのような方が受講されたのでしょうか。

山中 営業や開発、管理といった部門から2~3 名ずつ、部門長に選定してもらい、声をかけました。受講者の選定について何を基準にすればいいかは、データビークルさんからアドバイスをもらいました。「日常の業務に課題感を持ち、それに対して自分の考えをしっかり持っている方」。そうした方の中から、最終的に12 名が研修を受講することになりました。

——受講された方がどうなることを期待して研修を開催しましたか?

山中 弊社はハードウェア中心のビジネスモデルですが、そこからデジタルの領域に足を踏み入れたいという気持ちを、経営陣を含めて持っています。この研修に参加した人たちが、今後リーダーシップを持って周りを引っ張ってくれたらという狙いがありました。

「データから仮説を導き出す」。異なるアプローチを知って刺激を受けた

——実際に研修を受講されてみて、どのような感想をお持ちですか?

鈴木 ホシザキではこれまであまりデータ活用に取り組んでこなかったので、この研修をきっかけに会社の体質が変わればという期待を持って研修に臨みました。

研修では、一般的なデータ分析に関する講義が3~4 割、残りは実際にデータビークルさんのツールを使ってデータ分析の実践をしました。

この講義では、分析の考え方を丁寧に説明していただいたので、納得感を持って理解できました。また、講義の内容で、データ分析には主に記述的分析・診断的分析・予測的分析の3つがあるというお話がありました。我々は業務の中で、商品が何個売れたか、この製品は原価いくらでできるのかといった結果を分析する記述的分析を行っています。今後は、どうすれば原価が安くできるかといった予測的分析なども活用して、その根拠を論理的に示せるようになれたらと思います。

榊原 研修の中で学んだ、まず「あるべき姿」を設定するというデータ分析のプロセスが、「何が知りたいか」を設定する問題解決の型と似ているなという印象を感じましたね。

研修の中で使用したデータビークルさんの分析ツールについては、影響度が大きいもの、小さいものを抽出していく品質工学のプロセスを自動化したものというイメージを持ちました。

長谷川 研修冒頭の基礎の部分やグループワークにオブザーバーとして参加させていただいて、これまで社内で行ってきたデータ分析のアプローチとはずいぶん違うなという印象を受けました。一般的には「仮説を先に立て、その仮説を裏付けるデータを追っていく」というプロセスでしたが、研修では「仮説はデータから生まれる」という考え方でした。

私も含め、受講者のみなさんは当初そこに戸惑いを感じましたが、2日間の研修を通してみなさんアプローチの仕方に変化が見られるようになりました。研修の内容が生きてくるのはこれからだと思っていますが、いい刺激が受けられたと感じています。

研修後に独自の資料を作成し、部署内でデータ分析に挑戦

——研修を受けたことで、業務に何か影響はありましたか?

榊原 データ分析において、まず「あるべき姿」を設定するというデータビークルのアプローチの仕方はすんなり入ってきました。今後も私たちの業務では、データ解析が重要になってきます。そのときに、今回の研修で学んだアプローチが実際にどのように活用できるかには興味がありますね。何千もあるビッグデータを人が解析するのは無理なので、それをどうシステムに落としていくか。AIを使うのか、一般的なデータ解析のツールを使うのか、今後の課題として考えていきたいと思っています。

鈴木 これまでは、データがあっても漠然と眺めるだけでした。それが研修を受けたことで、「なぜそうなったか」「今後どうなるのか」という視点でデータを見ていく必要があるというふうに、意識が変わりましたね。

研修後、業務の中でデータ分析の知見が活かせるよう、自分の理解を深める意味も込めて簡単に資料を作り直しました。それを研修に参加していなかった部内のメンバーに展開しています。丸2日間の講義を資料にまとめて1 時間で説明したので、データ活用に初めて触れる人には難しい内容だったかもしれません。しかし、メンバーのうち1~2人はデータ分析の有効性を理解してくれて、自分たちでも少しずつデータ分析に挑戦し始めています。

私は個人的に野球が好きで見ているのですが、最近ではテレビの画面にさまざまなデータが表示されます。各バッターのコースごとの打率や、特定の場面でヒットが出た場合のチームの勝率など、感覚的に「この場面でヒットが出ればチームが勝ちそうだ」と思うことはあっても、こうして数字で根拠を示されると説得力が生まれます。

数字で明確に裏付けをするという点では、仕事においても同じです。我々が今まで経験と勘で行ってきたことが、データ分析をすることで「数字」という根拠を得て、説得力のあるものになっていきます。そういった意味で、こうした研修やデータ分析は今後ますます必要になるでしょう。

今回の講習でもお話がありましたが、データ分析をすることで、売上が突然2倍になるなど飛躍的な効果が表れるかといったら、そういうわけではありません。そうではなく、100%を105%にアップするといった「残された数%を改善する」ために、データ分析が行われます。

飛躍的に効果が出る改善策を打つのか、残された数%の改善をするのか。社内に本格的にデータ分析を導入するか否かは、経営層がどう考えているかによるでしょう。個人的には、データ分析は発言に数字的な裏付けを持たせるという意味で、活用の余地があるものだと思っています。

——DX推進のリーダーが育つ土壌ができていくとよいですね。本日はありがとうございました。

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