データドリブンな意思決定を支える人材育成に活用 | DataVehicle

事例紹介

データドリブンな意思決定を支える人材育成に活用

株式会社福岡銀行

IT管理部部長 島本栄光様
IT管理部 田中康大様

IT管理部部長 島本栄光様(右)
IT管理部 田中康大様(左)

九州全域を基盤とし、地方経済を支え続けてきた福岡銀行。「持続的に高い競争力・成長力を実現する『ザ・ベスト リージョナルバンク』という長期ビジョンを掲げる同行では、ITやデータ分析を活用したお客様の経営支援を行っている。この取り組みを強化するために導入されたデータビークルの「DX人材育成研修」を受講したのが、IT管理部部長島本栄光さんと田中康大さんだ。ITガバナンスを統括する視点から受講した感想を伺った。

データドリブン経営の目線をそろえたかった

——お二人がデータビークルの研修を受講することになった経緯を教えてください。

島本 地方銀行にはその地域の優秀な人たちがたくさん集まっています。一方で、地方は東京と比べて危機感が薄いように感じていました。世の中は大きく変化しています。別の業種から金融ビジネスに参入してくる動きもある中、もっと切迫感を持って、データや技術をベースにスピード感を持って決断してもらいたい。今回の研修をきっかけに、組織の中に「科学的に分析して判断し、ものごとを進めていく」というカルチャーを醸成していきたいという思いがありました。

そんな気持ちを持っているときに、当行のビジネス開発部がデータビークルさんのDX人材育成研修を導入することになり、そこに参加させてもらったのが受講の経緯です。

もともと当行のグループ会社がデータビークルさんに投資させていただいていたこと、データビークルCPOの西内啓さんの著書『統計学が最強の学問である』がおもしろかったことから、興味がありました。研修は私たちのほかにグループ会社である十八親和銀行の営業推進部、営業統括部などのメンバーが参加。全部で29名が受講しました。

田中 私たちIT管理部は、各業務部署に対してシステム導入やサポートを行っています。今後、新規のシステムを導入する際に、あらかじめマーケティング担当者や、営業担当者などの業務部門とある程度業務に対するリテラシーを揃えておけば、スムーズにサポートできるだろうと考えておりました。そういう意味で、本研修は非常によい機会だと感じ、受講した次第です。

たとえばデータビークルさんのツールを導入したいと思ったとき、実現可能性はどれぐらいで、どういう使い方ができるのか、ユーザー目線で検討ができるよう知見を身につけたかったのです。

日常業務でデータ分析の「目的」を意識するように

——研修の中で特に印象に残っているのはどのような点ですか?

田中 研修は、リサーチデザインの考え方やデータ処理、分析結果の検証と運用などを学んだあと、チームにわかれて施策立案ワークショップを行いました。ワークショップの課題は、デザートショップの売上動向をデータ分析したうえで、改善につなげるためにどのような戦略を立てるかといったものでした。

私たちのチームではデータ分析をした結果から、「デザートを売る」から「経験を売る」にシフトして価値を向上させようという結論を出しました。具体的には、お客様が奥さまに渡すケーキを自分でつくって、その過程を撮影した写真とともにお持ち帰りいただくという企画ですね。

チームのメンバーは3名でしたが、3名だけでも意見の相違が生まれるんです。ファクトは同じでも、それに対する仮説がそれぞれ異なる。ここを集束することにテクニックが必要だと感じました。自分ひとりでは1つしか答えを思いつかないところ、実際にワークショップをやってみたらファクトは同じでもこれだけ異なる意見が出るのだというところが非常におもしろかったです。

——研修の難易度はいかがでしたか?

田中 難しかったのは、ワークショップからプレゼンに至るまでの部分です。データ分析をした結果をどう企画に落とし込むをかをまとめていく過程が困難でした。また、ツールについては簡単に使えましたので、実際に手を動かすところには難しさを感じませんでした。

研修中は、座学はもちろん、戦略立案をするところまで、わからないことについて気軽に質問でき、対応してもらえました。そういった部分でも難易度を下げていただいたと思っています。

——実際に受講されてみて、どのような感想を持たれましたか?

田中 当行にもデータ分析の専門家がいますが、統計学は「専門家でなければできない難しい分野」だという固定観念を持たれがちです。今回の研修を通して、データビークルさんのツールがそうした固定観念を覆してくれました。

研修を受けただけのいわば素人の研修生でも、何のためにデータ分析をするかという目的を持ってさえいれば、西内さんの脳を借りてデータ分析をすることができる。このツールがあれば自分たちでデータ分析をするための環境構築ができると気づけたことは非常に有意義でした。

——研修を受講される前後で変化はありましたか?

田中 データドリブンで意思決定をするには、まずなんのためにデータ分析をするのか、それが本当に利益につながるのか。それらを考えずにやみくもにデータ分析をしても意味がないという教えが印象的でした。日頃の業務でもこの点を常に意識するようになりましたね。

システムを構築するときに、まずデータをどうやってつくるか、もしくはデータをつくりやすいツールは何か。そういったことを考えながらシステム導入を検討するようになりました。その点では、ユーザーの意向とベクトルを合わせるという当初の目的が達成できているのではないかと思っています。

学んだことを業務に活かす環境づくりに取り組みたい

——研修で学んだことを業務に活かしていくために、今後どのようなことに取り組んでいかれますか?

島本 今回研修を受講したメンバーには、20~30代ぐらいの若い社員が多くいました。今後彼らが従来の組織の中でデータドリブンに仕事を進めていくためには、組織全体でフォローしていく必要があります。彼らが学びを業務に活かせるような環境をつくっていくことが、私たちの課題ですね。

DXはどこかの一部の部署だけで進めればよい話ではありません。IT部門も協力して推進していかなければならないので、今回の研修をきっかけとして体制づくりや進め方を検討していきたいと思っています。

具体的には、DX人材・IT人材のスキルやレベルを定量化する、レベルアップを促すといった取り組みを考えています。身につけるべき新しいスキルとは何か、異動によってどういったスキルが必要となるか、スキル標準を整えて見える化していきたいですね。

その中には、当然データサイエンスのスキルも含まれます。今後はデータサイエンスの知見を身につけるための研修カリキュラムも定義していけたらと考えています。

——未来のDX人材育成に向けた取り組みが始まっていきそうですね。本日はお話をお聞かせいただきありがとうございました。

福岡銀行について
預金残高 12兆4,207億円 (2021年3月末現在)
従業員数 3,568名 (2021年3月末現在 連結)
創業 1945年3月

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の⼀部は概数で記述しています。

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