「デジタルマーケティングマネジメントデイ 2016 Summer」に出展いたしました

2016年6月22日、データビークルはデジタルマーケティングマネジメントデイ2016Summer(主催:SBクリエイティブ株式会社)に協賛・出展致しました。

本イベントは、経営層やCMOが求める多層的なパーソナライゼーションとマーケティングROIの追求に、ITはどのように貢献してゆくべきか、企業や組織をとりまくデータドリブンな試みと最新のIT情報を提供することを目的に行われたものです。

特別講演には西内が登壇、「データに基づくマーケティング戦略」と題してお話させていただきました。

午前中から行われたイベントの最終セッションだったにもかかわらず、満員の会場は熱気に包まれていました。

まずはじめは自己紹介を兼ね、西内の研究分野とデータ分析との関わりや、ソーシャルマーケティングについて語ります。

顧客中心主義を忘れてはならない

西内は、アメリカで「人を動かす」というマーケティングの本質に惹かれ研究を進める中で、実際のビジネス界にはギャップがあることに気がついたと言います。顧客中心主義がマーケティングの大原則なのに、それを無視してシステムを導入し、失敗する企業が多いのです。

そのギャップは、日本に帰国してからも目にすることになりました。データ分析、というと一概にRFM分析とその結果への対策というのがお決まりのパターンになっているいいます。商材次第で効果の有無は大きく異なるのに、それを考慮せずに固定の分析手法にこだわり、本来の目的である企業として利益を上げることに直結しないアクションを起こしてしまっているのです。

一般的な顧客と売上に大きく寄与する優良顧客を分けて、優良顧客にDMを送るキャンペーンの例を挙げ、実はDMの効果が出る伸びしろは優良顧客よりも一般的な顧客にあるのではないか?優良顧客は雰囲気やサービスを好んでいるのであってそもそも値引きがなくても店舗に来るのではないか?といった問いかけをしていきます。すべては顧客の理解からです。

データ分析の二つの使い方を理解し、使い分ける

西内は、こうした問題はデータ分析の二つの使い方を混同することに起因するといいます。それは「洞察」と「予測」です。

どうすればこの商品の売れ行きが伸びるかといったアイディアを考えるときに重要なのが洞察で、この商品を何台仕入れればいいのか正確に知りたいとき重要なのは予測です。洞察が必要な場面なのに、予測を意識した分析を行ってしまうと、優良顧客になり得るのは誰か予測できても、その人たちに何をすべきかはわからない、という本末転倒の事態が起きてしまいます。

分析方針を立て、「アウトカム」に直結するアクションを

また、データ分析の方針を立てる重要なポイントについてもご紹介しました。

それは「アウトカム」と「解析単位」です。アウトカムとは望ましさを具体的・定量的に定義するもので、別の言い方ではKGIと表現されます。アウトカムありきで、データ分析はそのレベル感に応じて解析単位を考えることが大切です。

さらに西内は分析結果から打ち手を導き出す考え方についても具体的にご紹介しました。

分析結果から打ち手を導き出す方法1

「購買」という動かせないアウトカムに対し、動かし得る説明変数である「心理要因」や「広告接触」、「イメージ」などを“変える”

分析結果から打ち手を導き出す方法2

「購買」という動かせないアウトカムに対し、動かせない説明変数である「性別」や「年齢」、「世帯年収」などの狙いどころを“ずらす“

分析結果から打ち手を導き出す方法3

「購買」という動かせないアウトカムに対し、ずらせない説明変数である「季節」や「天候」のもと、制御下にあるリソース、例えば「在庫」などを“最適化”する

分析結果をどう理解すべきか、また打ち手はどのように導きだされるのか。
多数の企業のデータ分析プロジェクトに関わってきた西内ならではのノウハウの一部が垣間見られた瞬間でした。思考を整理できるわかりやすい例だったこともあり、会場でもメモを取る人が多数見受けられました。

まとめ

マーケティング戦略の構成要素は「誰に」「何を」「どのように」提供するかです。
その判断はデータの分析と活用に支えられます。
西内は、顧客理解の重要性、予測だけでなく洞察を行うこと、アクションはアウトカムに直結するものを選ぶことの3点を忘れずにデータ活用と向き合ってほしいとし、講演を締めくくりました。

本来の目的に向けて正しくデータを活用するためには前提となる「分析」がとても重要です。
45分の講演はあっという間でしたが、イベント趣旨にもある“企業や組織をとりまくデータドリブンな試み”というテーマに合致した、参加者の課題や興味に応える時間になったのではないでしょうか。

実機紹介コーナーも大好評

また、講演会場の隣では協賛各社による製品やサービスの紹介コーナーがあり、弊社もData Diver、Data Ferryの実機をご用意して参加しました。

イベントへの出展も初めてだったため、立ち寄られたお客様の課題を直接伺う貴重な機会となりました。