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  • データサイエンス実践講座

第19回:分析結果から施策を生み出すための3つの考え方

データを整備し、分析して、どのような説明変数がアウトカムと関係しているのかがわかれば、いよいよそこからどのような施策を打つべきか考えてみましょう。

 

施策の考え方

 

施策に繋がらないのであれば分析をする意味はありませんし、分析用にデータを整備する手間も報われませんが、多くの企業がせっかく少なからぬコストをかけて、データ整備や分析をしたにも関わらず、最終的にどのような施策を取るべきか困っているようです。

 

しかし実を言うと、分析結果から施策を生み出すための考え方には下記のようなたった3つのパターンしかありません。

 

1)変えられる説明変数を好ましい方向へ変える

2)変えられない説明変数に基づき狙いをずらす

3)狙いがずらせない説明変数であってもその条件に応じてリソース配分を最適化する

 

「説明変数を変える」

 

1)に該当する変えられる説明変数とは、例えば顧客や従業員の心理要因、イメージ、知識、広告や研修への接触有無、といったものが考えられます。すなわち分析の結果、仮に特定の感情やイメージを持った顧客はそうでない顧客と比べて自社へより大きな利益をもたらしていることがわかったのだとすれば、そのような感情やイメージを顧客に持たせてやればよい、ということです。

 

そのためにやるべき施策はいくらでも考えられます。商品に新しい機能を持たせたり、逆に不要な機能を削除したり、パッケージを変えたり、広告を変えたり、販路を変えたり、サービススタッフのトレーニング方法を変えたり。それら業務プロセスの全てが、うまくコントロールすることで、顧客の感情やイメージの変化を通じて、利益の向上に繋がりうる可能性を持っています。

 

「狙いをずらす」

 

また、性別や年代、職業などといった個人属性は、仮に「女性の方が優良顧客である可能性が高い」とわかったからといって、イメージのようにおいそれと変えられるものではありません。しかし、顧客1人1人を性転換させることはできなくても、「これから新たにリーチする100人の顧客の中の女性の割合」が高くなるよう、狙いをずらすことは可能です。

 

例えばどうせ同じだけの人数の目に触れるのならば、女性のよく見るメディアに出稿した方がより高い効果を生みうる、ということになります。あるいは、どうせ同じような人通りの場所に出店するのであれば、女性がよく通る場所の方が収益性が高いということになります。

 

「リソースの最適配分」

 

そして最後に、季節や天候などといった「狙いをずらす」ことすらできない説明変数しか見つからなかった、という場合でも考えるべき施策はあります。それがリソースの最適配分という考え方です。

 

仮に夏の気温が上がれば商品が売れる、ということがわかっていたとしても、「気温の高い日の割合を増やす」ことは難しいかもしれませんが、気候の長期予報に基づき適切な生産や調達を計画することはできます。つまり、このような分析結果であったとしても、少なすぎるが故の機会損失にも、多すぎるが故のムダにもならないよう、条件に合わせてちょうどよい水準がどれぐらいか、という判断には使えるということです。

 

分析結果が得られたら、このような視点に基づいて「どうすればこの説明変数を変えられるか」「ずらせるか」「この条件に合わせて最適化すべきリソースは何か」と考えてみて下さい。